あさひ行政書士事務所
Asahi Certified Administrative Procedures Legal Specialist Office

029-846-0907

【営業時間】9:00~18:00 【定休日】土日祝祭日

ブログ

『民法』の大幅見直し(昭和55年以来約40年ぶりの改正)

2019年09月15日

第1 配偶者の居住権を保護するための方策

1 配偶者短期居住権の新設(新民法第1037条~第1041条) 

  配偶者が相続開始の時に遺産に属する建物に居住していた場合には,遺産分割が終了するまでの間、無償でその居住建物を使用できるようにする。

 要点:相続開始後に配偶者が被相続人の所有する建物に(無償で)居住していた場合,相続開始後遺産分割の結果が確定するまでの間(相続開始時から6か月の最低機関),配偶者が従来どおりその建物のに住み続けることができる権利が新設された。

2 配偶者居住権の新設(新民法第1028条~第1036条)

  配偶者の居住建物を対象として,終身又は一定期間,配偶者にその使用を認める法定の権利を創設し,遺産分割等における選択肢の一つとして,配偶者に配偶者居住権をしゅとくさせることができるようになった。

 要点:被相続人の配偶者がそれまで被相続人とともに居住していた建物を相続しなくても(例えば,子など他の相続人に相続させるなどしても)そのまま住み続けることが可能となる権利を新設した。

第2 遺産分割等に関する見直し

1 配偶者保護のための方策(持戻し免除の意思表示推定規定)新民法第903条④関係

  婚姻関係が20年以上の夫婦間で,居住用不動産の遺贈又は贈与がなされたときは,持戻しの免除の意思表示があったものと推定し,被相続人の意思を尊重した遺産分割ができるようにする。

 要点:一定の配偶者に対してなした建物又はその敷地の贈与については相続分の計算上,相続財産に戻さなくてもよいこととした。結果,法定相続分の計算上,配偶者としては(自分が贈与を受けた分減少した)相続財産から相続分として受ける財産と,贈与としてすでに受けていた財産とを合わせたことで改正前よりも多くの財産を相続することが可能となった。

2 仮払い制度等の創設・要件明確化(新民法第909条の2関係)

  相続された預貯金債権について,生活費や葬儀費用の支払い,相続債務の弁済などの資金需要に対応できるよう,遺産分割前にも払戻しが受けられる制度を創設する。

 要点:一定の額(法定相続分の3分の1又は法務省令で定める額のいずれか小さい方を限度とする)を各相続人が単独で預貯金を処分することができるようにした。

  例:相続財産の預貯金が普通預金60万円と定期預金120万円,相続人は子2めいの場合、それぞれの子が普通預金10万円,定期預金20万円を限度として払戻しが可能。

    法務省令で定める額は,現在150万円。

3 遺産の分割前に遺産に属する財産を処分した場合の遺産の範囲(新民法第906条の2関係)

  相続開始後に共同相続人の一人が遺産に属する財産を処分した場合には,計算上生ずる不公平を是正する方策を設ける。

 要点:遺産分割協議の前の段階で共同相続人のうち1人が勝手に財産を処分してしまったような場合には,その勝手に処分した分をその相続人の相続分に組み入れて計算をすることが法的に明文化された。

第3 遺言制度に関する見直し

1 自筆証書遺言の方式緩和(新民法第968条関係)

  自筆でない財産目録を添付して自筆証書遺言を作成できるようにする。

 要点:一定の場合に自筆に拠らない方法で財産目録の部分を作成しても良いこととした、ただし,改変,偽造などを防ぐ必要からその目録の毎葉に署名,押印が必要であり,かつ遺言書本文については従来同様自筆に拠ることが必要である。要するに,遺言書本文と財産目録を一体のものとして作成すること。

  :自筆に拠らない財産目録の例・・代筆,登記事項証明書写し,預金通帳写しなど。

2 遺言執行者の権限の明確化(新民法第1007条~第1016条関係)

 要点:遺言執行者の職務執行の趣旨について「遺言の内容を実現するため」と明示された。又,遺言執行者がその権限内において遺言執行者であることを示してした行為について「相続人に対して直接その効果を生ずる」旨が明文化された。

3 公的機関(法務局)における自筆証書遺言の保管制度の創設(遺言書保管法)

 要点:法務局で自筆証書遺言を保管する制度が発足する。

  :遺言者本人が法務局に出頭して保管を申請する。

  :申請先は1.遺言者の住所地,2.同本籍地,3.遺言者の所有する不動産の所在地のいずれかを管轄する法務局。

第4 遺留分制度に関する見直し

1 遺留分減殺請求権の行使によって当然に物権的効果が生ずるとされている現行の規律を見直し,遺留分権の行使によって遺留分侵害額に相当する金銭債権が生ずるものとしつつ,受遺者等の請求により,金銭債務の全部又は一部の支払いにつき裁判所が期限を許与することができるようにする。(新民法第1042条~第1049条関係)

 要点:遺留分減殺請求権の行使を金銭によるものと定め,現物ではなく金銭のやりとりで解決することを明文化した。

第5 相続の効力等に関する見直し

1 相続させる旨の遺言等により承継された財産については,登記等の対抗要件なくいて第三者に対抗することができるとされていた現行法の規律を見直し,法定相続分を超える権利の承継については,対抗要件を備えてなければ第三者に対抗することができないようにする。

 要点:特定財産承継遺言による相続の場合であっても,対抗要件は登記の先後によることとされた。(新民法第899条の2)なお,遺産分割や遺贈による相続の場合はもともと登記なくして第三者に対抗することはできない(登記の先後によって対抗関係を決する)ものとされており,この点の変更がないことから今回の改正により遺産分割,と規定財産承継遺言,遺贈のいずれの方法による相続であっても登記が優先することに統一される結果となった。

第6 相続人以外の者の後見を考慮するための方策

1 相続人以外の被相続人の親族が,被相続人の療養看護を行った場合には,一定の要件もとで,相続人に対して金銭請求をすることができる制度(特別の寄与)を創設する。(新民法第1050条関係)

  特別の寄与の創設に伴い,家庭裁判所における手続規定(管轄等)を設ける。(新家事事件手続法第216条の2~第216の5の関係)

 要点:相続人以外の親族が被相続人に対して「無償」で生前療養看護その他労務の提供をしていたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした場合に,特別寄与料として金銭の支払を相続人に対して請求することができる。更に、特別寄与料の支払額の協議がまとまらない場合には特別寄与者は家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。

 

【施工時期】

 2019年7月1日施行(ただし,以下を除く)

 配偶者居住権(短期も含む)・・・・・・・・・2020年4月1日

 公的機関における自筆証書遺言の保管制度・・・2020年7月10日

 自筆証書遺言の方式緩和・・・・・・・・・・・2019年1月13日施行済み

対応エリア

茨城県・水戸市・日立市・土浦市・古河市・石岡市・結城市・龍ケ崎市・下妻市・常総市・常陸太田市・高萩市・北茨城市・笠間市・取手市・牛久市・つくば市・ひたちなか市・鹿嶋市・潮来市・守谷市・常陸大宮市・那珂市・筑西市・坂東市・稲敷市・かすみがうら市・桜川市・神栖市・行方市・鉾田市・つくばみらい市・小美玉市・茨城町・大洗町・城里町・東海村・大子町・美浦村・阿見町・河内町・八千代町・五霞町・境町・利根町

東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県・群馬県・栃木県等を対象エリアとする。

入居者募集

【入居者募集】クープ・マリエ

クープル・マリエ

2DK(55㎡) 家賃 60,000円

敷金1ヶ月分
仲介手数料1ヶ月分

連絡先:仲介 筧田不動産

029-842-5014

リンク


Page top

ご相談・お見積りは無料です!お気軽にご連絡ください!

【営業時間】9:00~18:00 【定休日】土日祝祭日
※上記以外でも、できる限りご相談には応じますのでご連絡ください